今日は、小学校の高学年の皆さんに、読書感想文のうまい書き方をご紹介します。
小学校の高学年にもなると、読む本を選ぶのが少し難しく感じるかもしれません。
また、感想文を書き終わったあとで、ふと気づくと本の内容をただ簡単にまとめてしまっていることがあります。
読書感想文をもっと上手に、そして楽に書けるようになる方法を学びましょう。
これからそのコツを一緒に見ていきますね。
【読書感想文の書き方】小学生高学年向けに例文とセットで解説!
基本の構成要素
読書感想文を書く時の基本的な構成について説明します。
・タイトル
・導入部
・本文
・結び
この流れで書くことで、感想文をスムーズに、効率的にまとめることができます。
それぞれの部分にどんな内容を書くか、簡単に説明します。
タイトル…感想文の題名
導入部…その本を読むことにした理由と、本の簡単な紹介
本文…特に印象に残った場面や、その場面についての感想
結び…本を読んで感じたことや、考えが変わった点
これから、各部分についてもっと詳しく見ていきます。
タイトル・題名
学校から特に指定がない場合は、本のタイトルをそのまま使うか、それにちなんだ題名を考えるといいです。
シンプルに考えて大丈夫です。
あまり変わったタイトルを考えすぎると、書く時に無理に凝った内容を考えなければならなくなることもあります。
たとえば『おじいちゃんとの最後の旅』という本があったら、以下のようなタイトルが考えられます。
・『おじいちゃんとの最後の旅』感想
・私とおじいちゃんの物語
・もしもおじいちゃんと旅をしたら
タイトルを決めるのが難しい時は、行を空けて自分の名前を書くところから始めてみると良いでしょう。
また、タイトルは一行に収めるようにすると、シンプルで分かりやすい題名をつける助けになります。
導入部
導入部で、どうしてその本を選んだのか、そしてその本の簡単な内容について説明します。
「この本は感想を書くのにちょうど良さそう」と思って選んだかもしれませんね。
選んだ理由を素直に書きましょう。
特別な表現を使わなくても、自然な言葉で大丈夫です。
この本を選んだ理由は何ですか? タイトルが気に入った、または表紙の絵が目を引いた等、具体的に述べてみてください。
例えば、『おじいちゃんとの最後の旅』という本の場合、
《例文》
『私はおじいちゃんが大好きです。
おじいちゃんと遠くへ行ったことはありませんが、この本を見たとき、「おじいちゃんとの楽しい冒険が描かれているかもしれない」と思い、すぐに読みたくなりました。』
このように始めてみるのも良いでしょう。
本文の主要部分
読書感想文の本文では、具体的な感想をしっかりと書いていきます。
読書中に印象に残った言葉やシーンについて、どのように感じたか、どんな考えが浮かんだかを詳しく説明します。
また、そのシーンが自分の経験とどう関連しているかを考えると、感想文がより豊かになります。
自分が主人公と似た経験をしたことがあれば、その話を取り入れるといいでしょう。
例えば『おじいちゃんとの最後の旅』で、主人公が親に嘘をついて旅行の計画をするシーンがあります。
このシーンを自分の体験と結びつけてみる方法です。
《例文》
『私も一度、母に嘘をついたことがあります。それは、地元の公園でよく見かける野良猫に食べ物をあげたくて、「学校のノートを買う」と言ってお金をもらったことです。そのお金で猫のおやつを買い、猫にあげました。猫が喜んで食べるのを見て、とても嬉しかったです。』
子供が主人公の話では、共感しやすい部分が多くあるので、そういった点から感想を書くのも良い方法です。
結び・感想
結びでは、本を読んで得た教訓や感じたことをどう生活に生かすかを書きます。
読書の始めに触れた、その本との出会いや読む前後での自分の変化について触れると、感想文がより充実します。
《例文》
『最初にこの本の表紙を見たときは、孫と祖父のただの旅行物語だと思っていました。
ですが、読んでみると、祖父が病気で、祖母は既に亡くなっていて、さらに主人公が親に嘘をついて旅に出たという事実が分かり、とても驚きました。
私の祖父も高齢で、将来「もっと一緒に時間を過ごせばよかった」と後悔しないよう、これからは意識して祖父との時間を大切にしようと思います。』
本から学んだことや決意を感想文に書くことで、読書の価値がさらに深まります。
大げさな表現を使わなくても、自分の日常にどう取り入れたいかを述べることが大切です。
読書感想文をスムーズに書く5つのコツ
読書感想文を書く時に役立つ簡単なコツをいくつかご紹介します。
これらを使えば、感想文を書くのがずっと楽になります。
・本の選び方
・付箋を使う方法
・自分を主人公に置き換えてみる
・自分の体験と比較する
・読書が苦手な時の工夫
これらの方法を一つ一つ見ていきましょう。
本の選び方
本を選ぶ時、どれを選べばいいか迷ったら、自分の好きなことや興味のある分野の本を選ぶといいですよ。
例えば、水泳が趣味の人は、水泳に関する本を選んでみましょう。
ゲームが好きな人は、ゲームについて書かれた本が合っています。
そうすると、その本の感想を書く時にもスムーズにできますし、もっと楽しく感じるかもしれません。
興味のないテーマの本を選ぶと、感想を書くのが大変になり、読書そのものが苦痛になることもあります。
そのため、読書感想文を苦手と感じる原因の一つになってしまいます。
学校で推薦される本が自分に合わないと感じることもありますが、自分が興味を持てる本を選ぶことが大切です。
先生が推薦する本を選ばなくても大丈夫です。
自分にとって「これなら感想が書きやすい!」と感じる本を見つけることが、読書をもっと楽しむ秘訣です。
付箋の使い方
読書感想文を書くときには、本や原稿用紙だけでなく、付箋も大切な道具の一つです。
・感動した部分
・重要だと思う文章
など、本の中で特に印象に残ったページには、付箋を活用して印をつけておきましょう。
付箋を使わないと、後で何度も本をめくって探すことになり、時間がかかってしまいます。
読んだときの新鮮な感動やアイデアを大事にするためにも、付箋はとても役立ちます。
時には、最初に読んだときに面白いと思った部分が、後で読み返すとそう感じなくなることもあります。
だからこそ、感じたことや思ったことを忘れないように、付箋でマークしておくと良いでしょう。
主人公と一緒に物語を感じる
時々、読んだ本が特別心に残らないこともあります。
そんな時は、主人公の立場になって物語を体験してみると、新たな発見や感想が生まれるかもしれません。
例えば、小学生向けの物語にはよく子供たちが主要な登場人物として登場します。
この点を生かして、もし自分がその子供たちの一人だったら、この物語の中でどんな気持ちになるか想像してみましょう。
・「もし自分がこの状況に置かれたら、どう行動するだろう?」
・「この登場人物の行動は素晴らしいと感じるか?」
このように自分自身の視点から物語を考えることで、感想文を書く際にもスムーズに進めることができます。
それによって、物語にもっと深く入り込むことができるでしょう。
自分の経験と比較してみよう
物語の主人公が体験することと、自分自身の過去の体験を比べてみることで、もっと感じることが深くなり、豊かな感想文が書けるようになります。
たとえば、子供が主人公で冒険に挑む話は、図書館の本棚にたくさんあります。
私たちが実際に大きな冒険に出ることは難しいかもしれませんが、小さい頃に一人で初めておつかいをした時のことなど、小さな冒険の経験は誰にでもあるはずです。
そんな自分の体験を思い出しながら感想文を書くと、文章にリアルさが出てきます。
また、親が子供の一人での外出を心配して許可しないこともあるかもしれません。
その場合は、
・「もし自分が冒険できるならこんなことをしてみたい」
というような自分の願望を感想文に織り交ぜてみると、より個性的で魅力的な内容になるでしょう。
本が苦手な子どもへのアプローチ
本をあまり好きではない場合、興味のあるジャンルの本から始めてみるのがおすすめです。
たとえば、マンガを楽しんでいるなら、そのマンガのストーリーを小説で読む「ノベライズ」を試してみてください。
ノベライズは、読みやすくてわかりやすい構成が多いため、読書のスタートにぴったりです。
学年に合わせた本を選ぶ必要はありません。
「この学年にはこの本」という固定観念にとらわれることなく、たとえ幼児向けの本でも、高学年の子が読むことで新たな発見があるかもしれません。
親御さんが学生時代に読んでいた本が図書館にある場合、それを再び借りて読むのも一つの方法です。
意外な発見があるかもしれませんし、それが子どもにも合う可能性があります。
親子で一緒に読むことで、子どもの読書への興味を引き出すことができるでしょう。
まとめ
この記事では、小学校高学年生向けに読書感想文の書き方について詳しく説明しました。
作文が完璧である必要は全くありません。
夏休みは宿題が多かったり、遊びに忙しかったりする時期ですが、ここで提案した基本的な構成に沿って作業を進めることで、思った以上に早く読書感想文を完成させることができます。
暑い日が続く夏には、涼しい図書館でじっくりと本を選び、感想文をまとめるのが特におすすめです。