小学生の宿題の中でも、特に読書感想文は、残りがちです。
特に小学1年生や2年生にとっては、本を読むことも大変なことですし、その上で感想文を書くのはもっと難しいです。
学校では感想文の書き方を詳しく教えてくれないことも多く、親としてはどうサポートすればいいか迷うものです。
この記事では、小学校低学年のお子さんでも上手に感想文が書けるように、いくつかの簡単なコツと実際の書き方の例を紹介します。
読書感想文や作文で困っている保護者の皆さんに、この記事が少しでも助けになれば嬉しいです。
初心者向け:小学校低学年向けの読書感想文の簡単な書き方
保護者のサポート:子どもの読書感想文、どこまで手伝う?
小学1年生や2年生の子どもたちには、本を読むことや感想文を書くことがまだ難しいです。
本が苦手な子も多く、ただ「感想文を書きなさい」と言われても、自分ひとりで書くのは大変な作業です。
保護者の皆さんも、「夏休みの宿題の読書感想文、どの程度手伝っていいかな?」と悩むことがあるかと思います。
子どもによって手伝う程度を変えることが重要です。
・小学1年生の場合:本を一緒に読んであげ、感想文の書き方を教えてあげる
・小学2年生の場合:本の読み方は子どもに任せ、感想文を書くときに困ったら手伝う
子どもの能力や興味によって得意なこと、苦手なことが違いますし、忙しい共働きの家庭では共に過ごす時間が少ないかもしれません。
家庭の方針や状況により、サポートの方法は変わります。
必ずしも手伝わなければいけないわけではありませんし、逆に手伝いすぎても子どもの成長には良くないかもしれません。
保護者としては、お子さんの状況を見て柔軟に対応することが大切です。
読書感想文の初挑戦:小学校低学年のためのガイド
小学校低学年の子どもたちが読書感想文を書くとき、厳密な「正しい書き方」はありません。
子どもたちには自由に感想を書かせて、楽しんでもらうことが大切です。
感想文は、将来のための練習と考え、子どもたちがリラックスして取り組めるようにしましょう。
子どもが自分で考えた言葉で感想を書くときは、以下のポイントを参考にしてください。
1.タイトル(本の名前)
2.本を選んだ理由(書かなくてもOK)
3.物語の概要(書かなくてもOK)
4.印象に残ったシーンとその理由
5.読んだ後の感想や、これからの生活への影響
これらを子どもの日常生活と結びつけて考えることがコツです。
ただ、低学年の子どもたちから完璧な文章を期待するのは難しいので、少し表現がずれていても気にしないで、「これがこの子の感想だ」と受け入れて、自由に表現させてあげることが重要です。
詳しい書き方は、このページの後半でさらに説明します。
子どもが読書感想文を書けないときの助け方
子どもが一人で読書感想文を書くのが難しいとき、親が会話を使って考えを引き出す方法が役立ちます。
次のような質問をするといいでしょう:
・「どの部分が一番面白かった?」
・「その場面についてどう感じた?」
・「主人公についてどんな印象を持った? その理由は?」
・「この話から学んだことは何か、今後どんなことに気をつける?」
こうした質問で子どもの意見を聞き、感想をまとめてみてください。
子どもが話したことはメモに取り、それを後で感想文に整理します。
もし子どもが何を書いていいか分からない場合は、本の内容の要約から始めると良いでしょう。
内容の要約を書くときは、以下のポイントに注目してください:
・「この話はどう始まる?」
・「その出来事についてどう感じた?」
・「主人公は何を感じたと思う?」
・「物語はどのように進んでいった?」
・「その時の主人公の気持ちはどうだった?」
これらの質問に子どもが答えたことをノートに書き留めさせ、それを感想文としてまとめると、必要な分量を簡単に確保できます。
小学生向け:読書感想文の簡単な書き方と構成
読書感想文を書くときの基本的な流れとポイントを、特に小学校1年生と2年生が分かりやすいように説明します。
感想文を書く時の一般的な構成は、次のようになります。
1.タイトル(読んだ本の名前)
2.選んだ理由(はじめの部分で書くこと/書かなくてもOK)
3.物語の要約(本の内容を簡単に書く部分/書かなくてもOK)
4.印象に残ったシーンとその理由(詳しく書く部分)
5.読んで感じたことや、これからの生活にどう生かすか(最後に書く考えや感想)
これから、これらの部分ごとにどのように書くかを詳しく説明していきます。
タイトルのつけ方
読書感想文を書くとき、最初にタイトルを考えるのではなく、感想文を書き終えてからタイトルを決めると良いですよ。
テーマに合った、印象的なタイトルを選ぶことが大切です。
たとえば、次のようなタイトルが考えられます:
・友情について書いた場合:「僕の親友〇〇君」
・ペットがテーマの時:「ポチが私の家にやってきた日」
・家族や感謝に触れる話:「ありがとうを伝えたい人」
・自分の夢や目標について:「僕の将来の夢はプロ野球選手」
・環境問題について:「地球のために私ができること」
・戦争について書く時:「8月6日を忘れるな」
もしシンプルなタイトルが思いつかない場合は、「〇〇を読んで」という形でもいいですが、少し変化をつけるともっと良くなります。
・「〇〇と私」
・「〇〇が私に教えてくれたこと」
・「〇〇を読んで考えたこと」
・「読んでよかった〇〇」
・「僕の一押し〇〇」
これらの表現は、読んだ本のタイトルを〇〇の部分に入れることで使えます。
これでどんな本にも合うタイトルを考えることができます。
導入部の書き方
読書感想文を書き始めるとき、「どうしてこの本を選んだのか」を説明するのが一つの方法です。
ここでは、その理由を簡単に述べる例を紹介します。
・「『きみのなまえ』を選んだのは、話が犬についてだったからです。私は家で犬を飼っており、犬の話には特に興味があります。この本は楽しそうだと思って手に取りましたが、読んでみると……。」
・「『空をけっとばせ』は父に勧められて読むことにしました。表紙には逆上がりをする少年が描かれていて、私も最近逆上がりを練習しているので、この本から何かヒントが得られるかもしれないと思いました。」
・「『先生、しゅくだいわすれました』はそのユニークなタイトルに惹かれて選びました。普通、宿題を忘れたことを堂々と表現するのは珍しいです。この本にはどんな話が含まれているのか、非常に気になりました。」
これらの例のように、本を選んだ理由や初めて見たときの印象を書くことで、感想文の導入部が自然に広がります。
物語の概要の書き方
この部分では、読んだ本の主な内容を説明します。
本のあらすじを詳しく書く必要はありませんが、読書感想文がまだ慣れていない方や、感想文を早く書き終えたい方には、このセクションをしっかり書くことをおすすめします。
物語の要点を丁寧に書くことで、感想文がより充実し、本の内容を深く理解する助けにもなります。
これは、感想文を効果的に書くための良い方法です。
感想を書くコツ
読書感想文の中心部分では、本の中で特に印象に残った場面やその理由を具体的に書きましょう。
「〇〇の場面で感動したのは、~~という理由からです」と具体的に説明すると良いです。
自分の経験と結びつけて書くと、感想がより深く伝わります。
【例文】
「『忠犬ハチ公』で最も心を打たれたのは、ハチが飼い主の帰りをずっと待ち続ける場面です。このシーンは、昨年亡くなった愛する祖母を思い出させてくれます。祖母にもう会えないことを知りながら、私は深く悲しんでいました。もしハチ公のように祖母の死を理解できていなければ、ずっと彼女の帰りを待ち続けたかもしれません。」
このように個人的な体験を取り入れると感想文が一層感動的になりますが、自分に合った体験がない場合は、次のようにシンプルに書くこともできます。
「『〇〇』を読んで感動した場面は3つあります。一つ目は、~~の部分で、私はこう感じました。二つ目は、~~のシーンが心に響きました。三つ目は、~~の点に驚かされました。」
この方法で、印象に残った部分をいくつか挙げて、その感想を簡単に述べることで、すぐに感想文を完成させることができます。
まとめと生活への応用
読書感想文の終わりには、「この本を読んで学んだこと」と「それをどう日常生活に活かすか」を書きます。
【例文】
「以前は自分に自信がありませんでしたが、『〇〇』を読んで命の大切さについて考えさせられました。私は学びました、すべての命は大切で、私自身の命も他の人々と同じくらい価値があると。これからは、自分の命をもっと大切にし、正しい方向に生きようと努力します。」
このように、自分が感じたことを深く反映させることができます。
もし簡単にまとめたい場合は、こんなふうに書くと良いです。
【例文】
「『〇〇』を読んで、友情がいかに大事かを再認識しました。これからは友人関係を大切にし、良いつながりを保ち続けたいと思います。」
どちらの書き方も、読んだ本の教訓をどのように自分の生活に取り入れるかを示すことが大切です。ぜひ試してみてください。
小学校低学年のための読書感想文の例
この部分では、小学校1年生や2年生がどのように読書感想文を書けるかの例を示します。
小学校の低学年の子どもたちが書くときには、次のような形でまとめると分かりやすいです。
ただし、ここで示す文章をそのままコピーするのではなく、自分の言葉で表現するようにしましょう。
他の子と同じ文章にならないように気をつけて、これを参考にして自分の感想を書いてみてください。
選んだ本のタイトルは『おじいちゃんがおばけになったわけ』(作:キム・フォップス・オーカソン、絵:エヴァ・エリクソン、訳:菱木 晃子、出版社:あすなろ書房)です。
『おじいちゃんがおばけになったわけ』の内容紹介
【あらすじ】
おじいちゃんが亡くなった後、天国には行かずに、おばけとして孫のエリックの部屋に夜な夜な現れます。
どうやらおじいちゃんはこの世に何か忘れ物をしていったようです。
エリックはおじいちゃんと一緒にその忘れ物を探すために冒険を始めます。
二人はおじいちゃんの住んでいた家や町を一緒に歩き、たくさんの思い出を語り合います。
そして、物語の最後に、おじいちゃんが忘れていたものが何だったのかがわかります。
【解説】
この物語は、小学校低学年の子どもたちには少し難しいテーマかもしれませんが、多くの子どもたちが楽しんでいます。
おじいちゃんがおばけとして登場することが、彼らの想像力を刺激するからです。
ただし、物語の終わりはとても感動的なので、読む大人が涙を流すこともあるかもしれません。
そのため、感情移入しやすい方は特に心の準備をして読むと良いでしょう。
『おじいちゃんがおばけになったわけ』の読書感想文例
【読書感想文全文】
『僕とおじいちゃん
おじいちゃんをとても愛している僕にとって、おじいちゃんが亡くなったことは本当に悲しいです。もう二度とおじいちゃんに会えないと思うと、寂しくてたまりません。
しかし、この物語「おじいちゃんがおばけになったわけ」では、亡くなったおじいちゃんがお化けとして孫のエリックの部屋に現れるんです。普通、お化けと聞くと怖いですが、このお化けは大好きなおじいちゃんだったので、怖くなかったです。
物語が終わるころ、おじいちゃんは忘れていたものを思い出し、エリックとお別れをします。僕はおじいちゃんとの別れが苦手ですが、エリックは悲しみよりもおじいちゃんとの楽しい思い出を大切にしているようでした。
これからも僕はおじいちゃんとの思い出を大切にしながら、新しい思い出をたくさん作っていきたいと思います。』
【読書感想文全文 ここまで】
このように、読んだ本から感じたことを自由に表現するのが読書感想文です。
小学校低学年の子どもにも書きやすい形です。
もし、感想文を早く書き終えたい場合は、物語のあらすじを書いてから、簡単な感想を加える方法もあります。
このアプローチは、時間がないときに便利ですが、通常はもっと自分の感じたことを詳しく書くことをおすすめします。
小学校低学年向けの読書感想文:簡単な書き方と例文のまとめ
読書感想文を書くのは、小学校低学年の子どもたちにとって少し難しいかもしれません。
保護者の方々は、完璧な文章を期待するよりも、「本を読む楽しさを共有する」という気持ちで子どもたちを支えてあげてください。
そうすれば、子どもたちはもっと読書を楽しむことができ、自然と感想文も書きやすくなります。