高校生になると、読書感想文のための本選びが少し難しくなるかもしれません。
小学生や中学生のときは、どんな本を選んでも大丈夫だったかもしれませんが、高校生になると、あまり子供向けの本は選ばないほうがいいです。
でも、難しすぎる本を選ぶと、読むのが大変になり、最後まで読み終えることができないかもしれません。
また、読み終えたとしても内容が難しすぎると、感想文を書くのが難しくなります。
そこで、読みやすくて感想文も書きやすい本はないかと思っている人も多いでしょう。
この記事では、高校生におすすめの本をいくつか紹介します。
感想文を書くときのヒントやアドバイスもお伝えするので、本を選ぶときの参考にしてください。
高校生におすすめの読書感想文用の本
感想文にぴったりの一冊:『二十四の瞳』(壺井 栄)
『二十四の瞳』は、大石先生とその十二人の生徒の物語を通じて、戦時下および戦後の時期の教師と生徒の絆の変化を描いています。
この物語では、戦争がどのように人々の日常生活に深く影響を及ぼすかがリアルに表現されています。
この本は戦争をテーマにしていますが、読み進めるうちに物語に引き込まれ、気がつけば次々とページをめくっていることでしょう。
高校生にも理解しやすく、戦争の厳しさや平和の重要性について考えさせられる一冊です。
『二十四の瞳』を使った読書感想文のアイデア
『二十四の瞳』は戦争をテーマにしているため、多くの角度から感想を書くことができます。
戦争の悲劇や現代の紛争、核兵器の問題、オバマ元大統領の広島訪問とその演説、平和を実現する方法など、さまざまな話題が取り上げられています。
また、この本は平和の重要性や個人の行動がどのように影響を及ぼすかを考えるきっかけにもなります。
他の戦争をテーマにしたおすすめの本として、『黒い雨』(井伏 鱒二)、『永遠の0』(百田 尚樹)、『火垂るの墓』(野坂 昭如)、『アンネの日記』(アンネ フランク)があります。
感想文にぴったりの一冊:『十五少年漂流記』(ジュール・ヴェルヌ)
『十五少年漂流記』は、無人島に漂着した15人の少年たちがサバイバルに挑む物語です。
彼らは知恵と友情を武器に、困難に立ち向かいます。
この冒険を通じて、ワクワクとドキドキを感じながら楽しく読める作品です。
『十五少年漂流記』を題材にした感想文のポイント
この作品はシンプルな文体で書かれており、物語に深く没入しやすいです。
感想文を書く際は、物語内での出来事を自分の日常や社会のルールと比較してみると良いでしょう。
例えば、無人島でのルール作りやリーダーの選出を、現代の政治や学校生活と比較してみると、深い内容の感想文が書けるかもしれません。
また、物語のキャラクター間の友情と自分の友情を比較するのも有効な方法です。
読書感想文におすすめの一冊:『バッテリー』(あさの あつこ)
『バッテリー』は、才能あるピッチャーの巧と、彼の新しいキャッチャーである豪の物語です。
一見、野球の話のようですが、実はそれ以上の深いメッセージが含まれています。
この本では、友情や家族の絆、将来への不安など、10代の悩みがリアルに描かれており、多くの読者が自分のことのように感じることができます。
『バッテリー』を使った感想文の書き方
『バッテリー』は、青春期に直面するさまざまな課題が盛り込まれているため、感情移入しながら読むことができます。
感想文では、自分が感じたことを素直に書き出すことが大切です。
次のようなテーマから感想を書いてみましょう。
・自分の将来に関する悩み
・家庭での問題
・友達との関係についての悩み
これらのテーマから、自分にとって書きやすいものを選んで、さまざまな角度から感想文を展開するといいでしょう。
特に、高校生が直面する進路選択の悩みは、多くの学生にとって重要なテーマです。
・あなたの将来の夢や目標は何ですか?
・周りの人はあなたの進路についてどう思っていますか?
・自分の意見を貫くためにはどんな困難が予想されますか?
『バッテリー』の物語を自分の状況に重ね合わせて考えることで、自分の感じたことを深く掘り下げて書くことができます。
感想文に推薦する名作:『人間失格』(太宰 治)
『人間失格』は、太宰治の代表作で、他人からどう見られているかに異常なまでに敏感で苦しむ主人公・大庭葉造の心理が描かれています。
文学的な表現が多く使われているため、読みづらさを感じるかもしれませんが、心に響く深いメッセージが含まれています。
『人間失格』を題材にした感想文のコツ
主人公の大庭葉造の経験に自分のどの部分が共感できますか?例えば:
・他人に頼まれたことを断れない
・他人の目を異常に気にする
・自分を偽ることがある
・恋愛で問題を抱えがち
これらを自分の経験と比較してみることで、自己反省や内省を促す感想文が書けます。
自分自身の「影の部分」と向き合うことで、より深い理解を得られるでしょう。
読書感想文におすすめの本:『きみの友だち』(重松 清)
『きみの友だち』は、いくつかの短編が集まって一つの大きな物語を作り上げています。
この本では、「友情」というテーマを中心に、忘れられない友だちの存在の価値を伝えており、多くの人に感動を与えています。
『きみの友だち』を題材にした感想文のコツ
この本を使って感想文を書く際は、以下のような質問に答える形で考えてみるといいでしょう。
・友達とは一体何者か?
・友人の数は多いほうがいいのか、それとも親しい友人が少数でもいいのか?
・ソーシャルメディアの友達と実際に会う友達はどう違うのか?
・親友と普通の友達の違いは何か?真の親友とは?
これらの質問に自分なりの答えを書き加えることで、充実した内容の感想文が作成できます。
この本は子供から大人まで多くの人に楽しめる内容です。
感想文に最適な本:『1リットルの涙』(木藤 亜也)
『1リットルの涙』は、重い病気である「脊髄小脳変性症」と闘った木藤亜也さんの実体験に基づいた日記です。
この本はドラマにもなり、広く知られています。
本書を通じて、私たちが日常的に何気なくできることの価値を再認識させてくれます。
『1リットルの涙』をテーマにした感想文の書き方
この本から感想文を書く場合、生きることの価値に焦点を当ててみましょう。
過去の困難な経験を思い返しながら、「他に生きることが難しい人もいる中で、生きている自体がどれほど価値があるか」という視点から感想を綴るといいでしょう。
感想文に「周囲の支えがなければ生きていくことができない」という視点を加えることで、より深く考えさせる内容になり、読む人に強い印象を与えることができます。
読書感想文におすすめの本:『羅生門』(芥川 龍之介)
『羅生門』は、芥川龍之介による短編小説で、古い門の下で出会った死体の髪を抜く老婆と、その行動に憤りを感じるものの結局は同じ選択をしてしまう下人の物語です。
この作品では、日常の葛藤や道徳的な問いかけが巧みに描かれています。
『羅生門』をテーマにした感想文の書き方
『羅生門』を題材にした読書感想文を書く際、以下のようなテーマを考えてみるといいでしょう。
・自分が良くないと知りつつも行ってしまったことについて
・生き残るためには何でもすることが許されるのか?(どちらの立場でも書けますが、その理由を説明してください)
・災害時に起こった略奪行為についてどう思うか?
『羅生門』で感想文を書くのが難しい場合は、芥川の他の短編作品も検討すると良いかもしれません。
例えば、
・『鼻』
・『地獄変』
・『蜘蛛の糸』
これらも同じく深いテーマを含んでおり、感想文に取り入れやすいです。
また、他の作家の作品を使うのも一つの方法で、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』などが高校生の読書感想文に適しています。
高校生のための読書感想文向け本の選び方:読みやすさと書きやすさを重視
高校生のみなさんが読書感想文を書くとき、どんな本を選ぶかはとても大切です。
感想文をサクサクと書き上げたいなら、読みやすい本を選ぶことがポイントです。
読書感想文は、自分の日常や経験と関連づけて書くことで、スムーズに、そして面白い内容になります。
そうすることで、作文の評価も高くなる傾向にあります。
さあ、上手に本を選んで、感想文を早く終わらせましょう。